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福井家庭裁判所 昭和62年(少)3355号 決定

主文

少年を先づ医療少年院に、疾病治癒後中等少年院(交通短期処遇)に送致する。

理由

(一)  非行事実、罪名、罰条

少年に関する司法警察員作成の昭和62年9月21日付少年事件送致書中の犯罪事実、罪名、罰条各欄記載のとおり。

(二)  要保護性

1  少年の非行歴は、昭和60年度に道交法違反、窃盗事件で不処分に、同61年12月11日には道交法違反(共同危険行為)で保護観察に付されながらの今回の再非行である。とくに同62年2月頃からは父の経営する会社の車両を無免許で運転し、同年5~6月からはその運転も頻繁になるなど無免許運転が常習化していてまつたく反省心を欠如している。

2  少年の性格は自己中心的であり、活動的で自己顕示性が強いが、反面自己抑制力が弱く、不良交友への親和性も顕著で、社会規律に反発しこれを軽視する傾向が強い。なお、少年は現在梅毒に罹患している。

3  少年の家庭は欠損はないが、父の放任と、母の甘やかしから少年の性格の歪をもたらしたとみられ、共に補導力を欠く。

4  よつて、少年を施設に収容することとし、当初は上記疾病の治療のために医療少年院に、その治癒後中等少年院(交通短期処遇)において、順法精神の涵養をはかることにする。

(三)  手続適条

少年法24条1項3号、少年審判規則37条1項、38条2項

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